隣人

 いまのアパートに住み始めて3年が経った。当時も相変わらず社交性が皆無だったので入居するにあたって両隣、上階、下階の住民に挨拶をしなかった。そのため、どんな人間が暮らしているか知らないし、俺は極力住民に合わないようにしてることもあって、「おはよう」「こんばんわ」の挨拶もしたことがない。住民からヤべー奴だと思われてる違いないし、そんな俺がアパートの住民について書いたものなら本当のヤバい奴だ。そして俺はヤバイ奴なので、隣人について少しばかり書くことにする。

 隣の住民が女性であることは去年の年の瀬に知った。キャリーバックを自分の横に置いて部屋の扉の前に立っている姿を見た。そのキオクだけはある。そのあと自分がどうしたのかは全く覚えていない。だから挨拶をしたのか、お互い無言でそろぞれの次の行動をとったのかも分からない。ただ、キャリーバックを自分の隣に置いて部屋の扉の前に立っている姿だけを覚えている。それは、ひとめぼれの感覚に近い。

 

 

 隣人は廊下に傘を広げて乾かすという特徴がある。他の住民は扉の取っ手に傘をひっかけて雨雫を落とすぐらいで、広げて干すという行為を及ぶものはいない。

 いつものごとく雨の日になると廊下で傘を広げて干していた。雨の日によく見られる光景を見ながら、今回は2本の傘が干してあることに気付いた。その時はただ奥の部屋の住民は2本も傘を広げられて廊下を通りずらいだろうなぐらいしか思っていなかった。

 最近、雨の日にると必ず2本の傘が干してある。それはつまり、そいうことなんだなと悟りショックを受けた5月。

凛として時雨 Tour2018 "Five for you" in 金沢EIGHT HALL

 高校の頃、友人に「DISCO FLIGHT」を聴かされた。TKの高音ヴォーカルが悪い意味で印象的だった。その後地元でライブをやるということで、友人に連れられ曲もろくに知らずにライブ会場に足を運んだ。田舎の狭いライブハウスに、人はそんな埋まってなかったように思う。

 あれから8年経った。ニューアルバム「#5」を引っ提げて全国ツアーのアナウンスが流れた。YOUTUBEで新曲をチェックしてみるが、ハマらなかった。レコ発ツアーであるが故、セトリも自然とアルバム主軸になるはずであるが、まぁいいかと新曲をフル尺で聴かず参加することにした。

 LIVEが始まるとヒット曲というか、そのバンドを代表する曲大切さに気づく。「DISCO FLIGHT」やエニグマ、フワフワといったサイコパスの曲が演奏されると会場のボルテージは他の曲に比べて圧倒的に高くなるんだなぁと後方からファンの暴れ具合で確認が取れた。こういう楽曲があるとバンドも安心するだろうな。

 新曲はどれも時雨印が付いているという感じ。その中でもDIE MEETS HARDは4つ打ちのビートが心地良く、新曲の中で一番好きな楽曲である。

 

 そして何より今回のライブは345の可愛さに撃ち殺されたことです。本当にありがとうございました。(物販案内最高だ)

25歳になっても未だ童貞だったのでソープ行ってきた話

 密かに、25歳になるまでに彼女ができなかったらソープに行くと決めていた。四半世紀生きても何も起こらないようじゃ、これから何かが起こるはずもないという諦めである。童貞であるということに年月を経てもアンティークになるわけではない。さっさと捨ててしまおうと思った。

 ソープ経験のある友人にお願いして、すべて段取りをとってもらった。友人の車に乗せられてお店まで向う、今から始まる性体験について他人事にように感じながら。

 お店に入り待合室に案内される。何枚かの写真を見せられ女の子を選べと言う。とりあえず若い子がいいという友人のアドバイス通り一番若い子を選ぶ。その子の空く時間は30分後だというが、待つことにした。

 内線のコールが鳴ると、待機している客が一人づつ呼び出されていく。約30分後に内線のコールがなる。自分の番だと思い心拍数が上がる。店員に呼びだされ女の子と対面する。緊張のせいか空気が重い。写真と違うとチラっと思いながら女の子に手を握られ案内される。

 行為をはじめる前に自分に女性経験が全くないという事を伝える。すると会話のきっかけを見つけたかのように女の子が喋りはじめる。最初の緊張感が無くなって場の空気が和み始める。そして事が始まり、あっという間の60分間。始まる前は60分も何をするのか、間がもつのだろうか?と思っていたが、すぐ終わった。

 セックスはしたが俺の心の童貞は脱してないなという感覚がある。性体験が俺を一変させてくれるかと思っていたが、何にも変わらなかった。ただ新たな娯楽を見つけたに過ぎない。結局のところ女の子に承認されたい欲求を満たせない。自分を肯定してくれる存在が欲しい。でも、それを獲得する努力ができない。怖い。傷つくのを恐れているから。多くの人が経験するであろう通過儀礼を見事にスルーしてきたつけを、この歳になって挽回しなきゃいけないということに対する恐怖。

 さあ、これからどうしようか。