25歳になっても未だ童貞だったのでソープ行ってきた話

 密かに、25歳になるまでに彼女ができなかったらソープに行くと決めていた。四半世紀生きても何も起こらないようじゃ、これから何かが起こるはずもないという諦めである。童貞であるということに年月を経てもアンティークになるわけではない。さっさと捨ててしまおうと思った。

 ソープ経験のある友人にお願いして、すべて段取りをとってもらった。友人の車に乗せられてお店まで向う、今から始まる性体験について他人事にように感じながら。

 お店に入り待合室に案内される。何枚かの写真を見せられ女の子を選べと言う。とりあえず若い子がいいという友人のアドバイス通り一番若い子を選ぶ。その子の空く時間は30分後だというが、待つことにした。

 内線のコールが鳴ると、待機している客が一人づつ呼び出されていく。約30分後に内線のコールがなる。自分の番だと思い心拍数が上がる。店員に呼びだされ女の子と対面する。緊張のせいか空気が重い。写真と違うとチラっと思いながら女の子に手を握られ案内される。

 行為をはじめる前に自分に女性経験が全くないという事を伝える。すると会話のきっかけを見つけたかのように女の子が喋りはじめる。最初の緊張感が無くなって場の空気が和み始める。そして事が始まり、あっという間の60分間。始まる前は60分も何をするのか、間がもつのだろうか?と思っていたが、すぐ終わった。

 セックスはしたが俺の心の童貞は脱してないなという感覚がある。性体験が俺を一変させてくれるかと思っていたが、何にも変わらなかった。ただ新たな娯楽を見つけたに過ぎない。結局のところ女の子に承認されたい欲求を満たせない。自分を肯定してくれる存在が欲しい。でも、それを獲得する努力ができない。怖い。傷つくのを恐れているから。多くの人が経験するであろう通過儀礼を見事にスルーしてきたつけを、この歳になって挽回しなきゃいけないということに対する恐怖。

 さあ、これからどうしようか。